トマトは、どんな土地でも育つ強さを持ち、育つ土地ごとに個性が出る作物です。わたしたちは、海の記憶の残る玉名の地でしか生み出せない、小さいけれど甘さと旨味が凝縮したトマトをつくり続けます。

干拓地で育つトマトが美味しい理由

江戸時代から干拓が始まった玉名の土地は、海の底にあった「海の記憶を宿す土」です。塩の残る土地では、トマトが大きく育ちません。しかし、実った小ぶりな果実には、旨味と甘みがギュッと凝縮されています。今では、人工的に畑に塩をまき、あえて濃い味の小さな果実をつくる地域もありますが、蘇鉄園芸のトマトは、有明海の天然の恵みが育んでいます。

滋味を守るための減農薬

過度な農薬はトマト本来の風味を変えてしまうと感じ、蘇鉄園芸では農薬の使用を最小限に抑えています。できるだけ、自然のままに。丁寧に雑草をとり、虫取りシートや手作業で害虫を駆除します。手間はかかりますが、ハウスの見回りを増やしてトマトをよく観察し、病気を防いでいます。減農薬で育つトマトはお客様の身体にもやさしいと信じ、手間暇を惜しみません。

全ては、実に栄養を貯めるため

蘇鉄園芸では、桃太郎という品種の中でも、甘み、酸味、うま味が1:1:1とバランスがとれたものを選んでいます。選びぬかれた桃太郎を育むのは、1年寝かせた堆肥を用いて改良を続けた土。土から天然の栄養をたっぷり受けたトマトの味は、格別です。土の栄養が少しでも多く実に届くようにと、多くのトマト農家では敬遠される枝や花弁の剪定を手作業で繰り返しています。

風味が濃くなる大玉品種を選ぶ

蘇鉄園芸は「ハウス桃太郎」という品種を育てています。病気への耐性が低く、化学肥料との相性も悪いため、他品種よりも手がかかりますが、風味の良さは抜群です。
さらに、大きく育てられる「ハウス桃太郎」をあえて小ぶりに育てることで、甘みや旨味がぎゅっと詰まった濃厚な風味に。一度食べれば、忘れられない味をお届けします。

海の記憶の残る土地で育つトマトの色

トマトは、真っ赤なものが美味しいと思われている方も多いのではないでしょうか。トマトの赤はリコピンの色ですが、リコピンは甘みにはあまり関係がありません。色は何色でも、ツヤとハリがあるかどうかが、美味しいトマトの条件です。

蘇鉄園芸のトマトは、赤黒くつややかでハリがあります。土地の個性が生み出したつややかな色は、植物にとって厳しい環境である、塩分の強い土地で力強く育った証明です。

敢闘賞のトマトがまとう緑の勲章

トマトのへたの周りが緑色になる「グリーンベース」という現象があります。一見、未熟な果実のように見えるグリーンベースが出ているトマトは、果実でも光合成を行うことができるため、逆に甘みや旨味が強くなります。グリーンベースは、厳しい環境で少しでも多く光合成をして栄養を蓄えようと、トマトが努力してきた証。蘇鉄園芸では、グリーンベースが強く出たトマトは生育の途中で目印をつけ、特に美味しいトマトとして選別しています。

蘇鉄園芸の「潮トマト」

トマトは、多くの植物が苦手とする「塩分の多い土地」でも育つ生命力の強い植物です。どうしても果実は小ぶりになりますが、その分ずっしり重く、甘み、旨味、酸味を凝縮させた滋味深いトマトになります。

玉名の干拓地は、もともと海の底の土地。海の記憶が残る土地には、特に塩の濃い場所があります。ここで育つトマトは、小さな果実に段違いの美味しさが満ちています。わたしたちは、このトマトを「潮トマト」と呼んでいます。ぜひご賞味いただき、太古から続く有明海の恵みを感じていただければ幸いです。

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